【毛糸の再利用計画①】セーターから糸玉を作る

子供が大きくなり、もう着なくなったセーター。
いただいたものの、サイズが違ったり、デザインが合わなかったりと押し入れに眠っているセーター。
気持ちいい毛糸なのに着れないのはもったいないなぁ、と感じたことはありませんか?

これを毛糸に戻して、他のものが編めたらいいけど。
糸巻き器もかせくり器みたいな専用の道具は持ってないし…大変そう…
と諦めている方。

今回は家にあるもので、セーターを解いて糸玉にするまでの方法をご紹介します。
私は毛糸から物を作ったことはありますが、その逆の経験はなく、初めて挑戦してみましたので、ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。

①全体の確認

今回は押し入れに眠っていた、サイズの小さなセーターを解体することにします。
繋がっているところを確認してみると、縫い糸などではなく、毛糸で繋いであるようです。
パーツは『右袖、左袖、前身頃、後身頃、襟』この五つに分けられる気がします。

素材は
【ウール 45%、アクリル 45%、麻 10%】
となっています。

②各パーツに分ける

まずは、ほどくきっかけの部分を探してみます。
脇の下や、裾の部分を見てみると、糸端が出ているのが確認できます。
この近くからほどいていくと良さそうです。

時間がかかる方法

前身頃と後身頃のつなぎ目を、ぎゅっと引っ張ってみると繋いでいる糸が確認できます。
それを切ってみます。
引っ張って切る、引っ張って切るを脇の下あたりまで繰り返して切り離すことには成功しましたが、時間がかかり、効率が悪いようです。
裾から脇の下あたりまでで30分以上かかりました。

裾のつなぎ目を引っ張っているところ
開いては切る、開いては切る・・・

このままでは日が暮れてしまうので、もう一度繋がっているところをよくよく観察してみます。
よく見るとどうやら引き抜き編みで繋いでいるようです。
それなら、正解の糸を引っ張ると、ツーっと気持ち良く抜けるはずです。

時間がかからない方法

引き抜き編みは、写真のような模様になっています。
矢印の方向に引っ張ると、気持ち良くほどけ、そしてとても早いです。
じーっと見ていると、引き抜き編みの編み目模様も、矢印の集合体のように見えてきます。
引っ張る糸は、この矢印模様の反対側の糸です。

引き抜き編みの模様の部分
引き抜き編みの反対側の糸

引き抜き編みの模様の部分を切り、反対側の糸を引っ張ってみます。
するとさっきの1時間はなんだったんだろうと思うくらい、1分もかからずにツーっとほどけました。


引き抜き編みの反対側の糸は見ただけでは分かりにくいので、見つけられる気がしない・・・
と心配になるかもしれませんが、大丈夫です。
引き抜き編みの模様部分を切って、生地を裏返し、少し生地を引っ張ったりしているときっかけが見つかると思います。

それでも見つからない場合は、その場所は一旦諦めて、別の場所を切って試してみましょう。

引き抜き編みの模様部分を切ります
生地をひっくり返し、切った糸を引っ張ります。

これを繰り返し、無事5つのパーツに分けることができました。

画像では袖のつなぎ目が残っていますが、このつなぎ目も引き抜き編みで繋がっていたので、ほどいておきます。

③解いて糸にする

次に、パーツごとに解いて、糸に戻していきます。
ここで迷うのが、上から?下から?どっちから解くの問題です。

編み目をよく観察してみると、先ほどパーツごとに分ける時に見た、引き抜き編みの模様と同じように矢印のように見えてくると思います。

今回は
身頃(前後)→肩の方から
袖(左右)→肩の方から
襟→繋いであった方から

それぞれほどいていきたいと思います。

袖は、先につなぎ目の引き抜き編みを解いてから作業します。

端の方をよく観察してみると、糸端を確認することができます。
その糸端を解いていきます。
うまく解けない場合は、その近くを切ってみるなど、ツーっと解け始めるまで頑張ります。

身頃は片方の肩の部分は別になっているので、一つのパーツのようで、二つのパーツに分かれています。
どちらから解いても良いのですが、解いている途中もし首元あたりで止まった場合は、一旦置いておき、もう片方の肩口から解いていきます。

④かせにする

動画などでよく見る、かせくり器があれば早いのですが、持っていない場合は、他の何かで代用します。
・協力者がいる場合は、両手で巻き取る。
・椅子をひっくり返して、椅子の脚に巻き取る。
・段ボールや何か硬いものに巻き取る。

今回は、家にちょうど良い踏み台があったので、その脚に巻き取っていきました。
最初は、脚2本に巻き取っていきましたが、「巻きにくい」「量が多いと出来上がりが分厚い」など、量が多い場合は効率があまり良くないと感じました。
襟など、糸の量が少ない場合は脚2本でちょうど良さそうです。

脚2本に巻き取ったところ

次は、4本の脚に巻きとり、台の方を回して巻き取っていくことにします。
固定している台に巻いていくよりも、格段に早く、楽でした。
ただ、テーブルの上だと回りやすく、作業しやすかったのですが、重たかったのでやはり手が疲れます。いつかかせくり器を購入して試してみたいと思います。

巻き取り終わったら、2〜4ヶ所結びます。

後で、糸玉にするときに、巻き始めの糸端から取っていくと、絡まりやすそうだなと感じたので、巻き終わりの糸端に目印をつけておきます。

結ぶ糸や目印の糸は最後に処分するので、なんでもいいのですが、見失うと後で大変そうなので、違う色の糸を使いました。

糸端の目印をつける前に撮影してしまいました。。。

無事に5つのパーツをほどいて、かせにすることができました。

画像下の身頃は、脚2本に巻き取り、2ヶ所で結んでいます。
袖やもう一つの身頃に比べ、分厚く仕上がっています。

⑤水通しをする

写真のように、解いたばかりの糸はちりちりです。
縮れの軽減や、埃などの汚れを落とすため、水通しをしていきます。

たらいに50度程のお湯を溜め、かせを1時間ほど浸けておきます。
1時間程経つとお湯も冷めているので、お湯を入れ替えます。
その後、おしゃれ着用洗剤を入れて、さらに30分ほど浸けておきます。

かせにしたばかりの糸。ちりちりです。
50度のお湯に浸かってます

その後、絡まないようにかせを取り出します。
たらいでジャブジャブと豪快にすすごうと思いましたが、絡まると後が大変そうなので、浴槽の淵にかけて、シャワーをかけてすすぎます。

すすいだ後は、ハンガーに引っ掛けて外に干します。
かせが分厚いと乾きにくいので、やはり量が多い身頃や袖は4本脚に巻き取った方が良さそうです。

濡れているときはとにかく絡まないように、結び目を頼りにそっとハンガーにかけます。
かせにしたときにつけた糸端の目印が見つからないので、絡まったかな…と不安もよぎりますが、乾くのを静かに待ってみます。

約1日外に干しておいたら、ほとんど乾きましたが、脚2本に巻き取った身頃の分は、やはり分厚いせいでさらに1日干しました。

この作業をしたのが2月なので、乾くのに時間がかかりますが、暖かい季節であればもう少し早く乾くかもしれません。

乾いた後は、糸埃などはだいぶ無くなっており、縮れも軽減したようです。
縮れに関しては、思ったよりも残っていましたが、編めないほどではないようです。

乾燥後のかせ
最初に比べ縮れが減少し、伸びています。
乾いた後、無事に糸端の目印を見つけられました。
他の部分に比べ、糸端は縮れが強く残っています。

⑥糸玉にする


枷のままでは使いにくいので、今回はラップの芯を使って、中から使える糸玉を作ってみます。
まずはラップの芯の端に、2cm程の切り込みを入れます。
切り込みに目印をつけていた糸端を引っ掛けて、まずは30回程ぐるぐると巻きます。
今回は時計回りに巻いていきました。

切り込みに糸端を引っ掛けたところ
まずはぐるぐると横に30回程

30回程巻いた後、右下から左上に向かって巻いていきます。
その時、ラップの芯は少しずつ反時計回りに回して、巻く場所をずらしていきます。
これを糸がなくなるまで続けます。
最後に糸端を他の糸に引っ掛けて、ほどけないようにとめておきます。

右下から左上に巻いていく
筒はゆっくり青の矢印の方に回す
最後は横に5回程巻いて、糸端を引っ掛ける。

袖の部分を糸玉にするのに約30分かかりました。
糸巻き器があればこれも半分以下の時間でできると思います。

まとめ

いかがでしょうか
専用の道具がなくてもセーターを解いて、糸玉を作ることができました。
眠っているセーターや、リサイクルショップで購入したセーターをほどいて、新しいものを編んでみるのもエコにもなり、楽しいのではないでしょうか。

もちろん、かせくり器や糸巻き器など、専用の道具があれば、楽に、早く、きれいに作業ができると思います。私も憧れが募ります。

これをきっかけに、眠っているセーターを見てみてもらえると、とても嬉しいです。
私も色々な素材のものを試していきたいと思います。

今回の記事の動画もありますので、見ていただけると嬉しいです。