子供が大きくなり、もう着なくなったもの。
いただいたものの、サイズが違ったり、デザインが合わなかったりと押し入れに眠っているもの。
その時は編むつもりだったけど、途中でやめてしまった編みかけのもの。
気持ちいい毛糸なのに着れないのはもったいないなぁ、と感じたことはありませんか?
解いてみると、綺麗な毛糸になるものもたくさんあります。
思い切って解いてみて、別のものに作り替えてみませんか?
今回は、友人から「解いて使っていいよ」と譲り受けた大量のセーターの中から、解きやすそうな手編みのベストを解いていきます。

前回は糸巻き器もかせくり器もなかったので、解いて糸玉にするまでに、とても時間がかかりましたが、今回はかせくり器と糸巻き器を購入してみたので、これを使って糸玉を作っていきたいと思います。
糸巻き器もかせくり器も使わず、家にあるもので代用しながら解いた様子はこちら。
全体の確認
おそらく棒針で編まれたベストだと思います。
手編みのため、タグなどはなく、素材が何か分からないですが、手触りからウール混のものじゃないかなと推測しました。
編み方は、中の模様を編んだ後、腕を通す部分と、その他の周りの部分を縁編みしているようです。
少し毛玉がありますが、そんなに目立つほどでは無いので、毛玉は取らず、そのまま解いていきたいと思います。

解き始めるきっかけの部分を探す
まずは、解くきっかけの部分を探してみます。
一番外側にある、糸処理をしているところを探します。
これを編んだ方はどこから編み始めたのだろう…
自分が編み手だったら、どこで編みおわるだろう…と色々想像しながら探すのも、楽しい時間です。
きれいに糸処理をしてあったので、見つけるのに苦労しましたが、両方の脇の部分、左前の裾の部分にきっかけの部分を見つけることができました。(写真の赤丸の部分)
こんなふうにきれいに処理できるようになりたいなぁと思いながら、結び目を解いておきます。

かせくり器を使いながら解いてみる
かせくり器と糸巻き器、どのように使っていこうか迷っていたのですが、使ってみないと分からないので、思うままにどんどん試していくことにします。
脇
先ほど解いておいた、脇の部分の糸端をかせくりきの端に引っ掛けておきます。
ちゃんと引っかかったのを確認したら、かせくり器を手でぐるぐる回して、巻き取っていきます。
毛玉が時々少し引っかかる感じがありますが、量も少ないのであっという間に巻き終わりました。

あとで水通しの作業があるので、絡まないよう、かせくり器から外す前に、違う色の糸で結んでおきます。

心配であれば4か所結ぶと安心です
縁
続いて勢いにのって、周りの縁の部分も同様にどんどん解いてみます。
脇の時よりも、量が多いせいか毛玉の引っ掛かりがとても気になります。
ぐんぐんかせくり器を回したいのに、毛玉が引っかかると回転も止まり、少しストレスです。
巻き終わって気づいたのですが、毛玉の引っ掛かりの衝撃が原因か、かせくり器のストッパーが少しずつ下がっていたようで、最初とサイズが変わってしまいました。
巻き直すのも大変なので、あとで絡まないことを願って、このまま突き進みたいと思います。

かせくり器が画面いっぱいに広がってます

巻き始めに比べ、小さくなっています。
糸巻き器を使いながら解いてみる
毛玉の引っ掛かりが予想以上に強いため、次は糸巻き器を使いながら解いていきたいと思います。
模様編み部分
本体というのでしょうか、模様編み部分を解いていきます。
私は棒針編みの経験がほとんどないので…この模様あみがどの方向に編まれたものなのか、さっぱり分かりません。
きっかけ探しも難航です…

まずは肩の繋いでいる部分を解きます。
肩の部分は、同じ毛糸でなみ縫いのような感じで、縫い合わせてありました。

そのあと、見つけた結び目をいくつも少しずつ解いてみて、どうやらこれは横方向に編まれたものらしい…と分かりました。
きっと、棒針編みをされる方でしたら、向きもすぐに分かり、きっかけ部分もすぐに見つけることができるのだと思います。

どうにか両サイドに、きっかけの部分を見つけることができたので、さっそく糸巻き器にセットして、巻き取っていきます。
予想通り、毛玉が引っかかりますが、かせくり器よりも、力強いので、ストレスは格段に減りました。

解いていてわかったのですが、穴が空いてしまったところをお直しして着ておられたようで、途中糸を繋いでいるところが多く、短い糸がたくさん出てきました。
大事に着られてたんだなぁ、と想像しながら、使えそうな糸は簡単に結んで繋ぎながら、巻き取っていきます。
簡単に繋いだので、何か作品を編むときは、結び目を切って、糸処理をしながら編むか、マジックノット等の結び方で、丁寧に処理する予定です。

無事糸玉にできたら、水通しをするため、かせくり器で巻き取って、かせにします。
どうせ使うなら、やっぱり最初からかせくり器を使って解けばいいじゃないかと思うかもしれませんが、速さが段違いです。
一度毛玉のひっかかりをクリアして、糸玉になったものなので、ストレスフリーでかせくり器を高速で回せます。
急がば回れとはこのことだなぁと思いながら、ぐんぐん巻き取ります。

無事に全てかせにすることができました。
まだ解いたばかりで、ちりちりですが、水通しをすることで、汚れも落ち、縮れも軽減します。

水通しをする
かせのまま、50度程のお湯につけておきます。
この時おしゃれ着用洗剤も入れておきました。
絡まずに作業しやすいよう、かせの輪の中にバスタオル用のハンガーを二つに畳んだ状態で通しておきました。
すすぐ時など、このハンガーを持ち上げれば絡まる心配をせずに作業できます。
1時間程浸けておき、洗剤を落とすため何度かすすぎます。
すすいだ後は、それぞれハンガーに分けて干します。
干す時は、軽く手で絞ったり、タオルなどで挟んで水気を取ると早く乾きます。
今回は、縮れの残りはほとんどなく、きれいにまっすぐな糸に戻りました。


糸玉にする
乾いた後は、糸玉にしていきます。
かせの状態の毛糸を、かせくり器にセットします。
糸端を糸巻き器にセットして、後はハンドルを回して糸玉にしていきます。
手作業でもできますが、セーター1着分となると、糸玉にするだけで前回は5時間以上要しました。
今回は糸巻き器とかせくり器という最強コンビがあるので、糸玉にする作業は30分程という脅威の速さでした。

解く際に、かせくり器のサイズが変わってしまって、少し絡みそうだったかせも、問題なく作業を進めることができ、無事に全ての毛糸を糸玉にすることができました。

まとめ

今回初めて、かせくり器と糸巻き器を使用して解いてみました。
試してみて、効率が良い順番は
(セーター)
↓
(糸巻き器で解きながら巻き取り)
↓
(かせくり器でかせにする)
↓
(水通し)
↓
(糸巻き器で糸玉に仕上げる)
だと感じました。
今回の作業を踏まえて、次回気をつけたいことは
①毛玉
見た目ではあまり目立たなくても、解く前に毛玉取りをしておくと、引っかかることなく、さらに作業スピードが上がると思います。
解いているときに出る、糸埃の量も少なくなるかもしれません。
②かせ→糸巻き器の巻き取るスピード
かせから糸玉にするときは、あまり調子に乗って速いスピードで巻き取ると、かせくり器の回転速度が早くなりすぎ、糸巻き器が追いつかず、緩い巻き方になってしまったので、双方のスピードを見ながら、ちょうど良いスピードを見つけると、より綺麗な糸玉に仕上がると思います。
まだまだ解き待ちのセーターがたくさんあるので、他のものも試していきたいと思います。
もし、やってみようと思われた方は、眠っているセーターを探してみてくださいね。
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