コクヨの麻紐 バッグを作った後の毛羽立ち処理について

麻紐で編んだものの仕上げ、どうしてますか?

夏になると麻紐で編まれたバッグを持っている方をよくお見かけします。
私も麻紐で作られたバッグや雑貨はとても好きで、自分でも編んだりしています。

自分で編むと、好きな形や大きさに編むことができてとても良いのですが、問題が少々…
それは、「編むときの手の痛さ」そしてなにより「「毛羽立ち」です

手芸用の麻紐であれば、そんなに気にならないのですが。
やはりそれなりにお値段がします。
まずは100円ショップの麻紐で練習して、次はコクヨの麻紐で作品を作ってみて、手芸用はそれから…という方も多いと思います。

ですが、コクヨの麻紐だって、仕上げの処理によって変わります!
今回は4通りの方法で仕上げの処理を試していきたいと思います。

まず、手の痛さについては、手袋や適度な休憩などで対策が可能です。
私は編む時、かぎ針を持つ逆の手は、綿の手袋の親指部分を切り落としたものを着用しています。
これで左手の痛みは激減するので、おすすめです。

麻紐を編むときの手袋の画像

毛羽立ちについては、作品が出来上がった後もついてくる問題です。
大きなバッグであれば、肩からかけることもあります。その時着ている衣服が色の濃いものであったら麻紐の毛羽が衣服についてしまい、ちょっと残念な気持ちになります。

もちろん使用していくにつれ軽減していきますが、できれば初めから少ない方がよいので、今回は毛羽立ちの処理について検討してみました。

仕上げの処理について

仕上げ処理前のプランター

今回は、小さなプランターを4つ編んで試してみたいと思います。
編み方が気になる方はこちらをご覧ください

プランター

使用糸 … コクヨの麻紐
かぎ針号数 … 8号

今回試す方法このは4通り

①水通しのみ
②やすりかけ→水通し
③火で炙る→水通し
④水通し→火で炙る→水通し

この方法を試してみて、「触り心地」「見た目」「衣服への付着」がどうなるかを見ていきたいと思います。
衣類への付着は、濃い色の不織布の上で何度かポンポンと叩いてみて、どのくらい毛羽が落ちるかで試していきます。
水通し後の乾燥は、外に吊るして2日ほど自然乾燥させました。

①水通しのみ

麻紐のプランターの水通し場面
水通ししているところ
洗面器に水を溜めて、押し洗いをします。

水通しをするだけでも、毛羽や匂いがだいぶ軽減します。

水を含ませると、とても硬くなるので、「大丈夫なのか…」と心配になるかもしれませんが、乾くと水通し前よりも柔らかくなるので、大丈夫です。

触り心地水通し前に比べるととても柔らかくなり、ちくちくもあまり気になりません。
見た目近くで見ると、毛羽立ちが目立ちます。
プランターであれば可愛いなぁと思いますが、バッグには向かないような気がします。
衣類への付着思ったよりも付着が少なく、この程度であれば衣類でもあまり目立たないかと思います。
水通し後のアップ画像
表面(水通しのみ)
水通し後の毛羽
毛羽の付着(水通しのみ)

②やすりかけ→水通し

プランターのやすりがけ

なぜこの方法を試そうと思ったんだろう…と思うほど、毛羽立ちを悪化させしまいました。

目の荒いものも、細かいものも、毛羽だけ取れたらいいなぁと思いましたが、その真逆で、全体的に毛羽立ちました。

触り心地全体的に毛羽立っており、すこしちくちくします。
見た目処理前に比べ、すごく毛羽立っています。
もっとやすりがけをして、もっと毛羽立たせたら、それはそれでとても可愛いプランターになりそうな気がします。
衣類への付着他のものに比べ、長めの毛羽の付着がありました。やすりで長い毛羽を作ってしまったようです。
やすりがけ後のアップ
表面(やすりがけ)
毛羽の付着(やすりがけ)

③火で炙る→水通し

プランターを炙るところ
火事には十分お気をつけください

今回は使い捨てのライターをバーナーのように使える道具を使いました。
アウトドア用品として売っていることが多いようです。
ライターやバーナーがない場合は、カセットコンロに餅を焼くときなどの網を置いて焼くと作業がしやすいです。

乾いた麻紐を炙ると、燃えるあがることはないのですが、焦げ跡や色むらができるので、均一にするのはとても難しいと感じました。

触り心地毛羽を焼くことで、毛羽が短くなりやはりちくちくします。
見た目焦げた跡や、色むらができています。
焦げ跡は格好良いものではないですが、色については全体的に濃くなり、むしろこちらの方が好みの方もいるのではないでしょうか。
衣類への付着毛羽が短くなっているので、衣服につく毛羽も短く、他のものに比べ目立たないように思います。
プランターを炙ったもの
表面(火炙り)
毛羽の付着(火炙り)

④水通し→火で炙る→水通し

水通し後のプランターを炙っているところ
水通し後に炙っているところ
火事には十分お気をつけください

水通し後、軽く水を切った状態で③と同様炙っていきます。

濡れているので、焦げる心配もなく色むらにもなりにくく、なにも気にせずゆっくりと炙ることができました。

触り心地③と同じく、毛羽を焼くことで、毛羽が短くなりやはりちくちくします。
見た目焦げなどなく、毛羽も目立たなくなっており、4つの中で一番綺麗な仕上がりになったように思います。
バッグにもプランターにも問題ないと思います。
衣類への付着③と同じく、毛羽が短くなっているので、衣服につく毛羽も短く、他のものに比べ目立たないように思います。
水通し後炙ったものの表面
表面(水通し後火炙り)
毛羽の付着(水通し後火炙り)

おまけの比較

麻紐でマルシェバッグなどを細編みで編む際、立ち上がりなしで編むのもおすすめです。
麻紐は太くて硬いので、立ち上がりが目立ってしまいますが、立ち上がりなしで編むと見た目もスッキリ、そして手の疲れも激減で、おすすめです。

立ち上がりの有無の比較
【左】立ち上がり有り
【右】立ち上がり無し

まとめ

処理後のプランター4つ
左から
「水通しのみ」「やすりがけ」「火炙り」「水通し後火炙り」

今回試してみて、すべて若干のちくちくは残るものの、バッグを作るなら「④水通し→火で炙る→水通し」の処理が一番良いなぁと感じました。
これを2回ほど繰り返せばほとんど気にならないようになるのではないでしょうか。
さらに、そのあとスプレータイプのキーピングや防水スプレーをかけると、より綺麗に仕上がると思います。

「③火で炙る→水通し」でつく色も好きなので、焦げないように注意したら素敵な作品ができるのではないかと思います。

「②やすりかけ→水通し」も、独特な風合いのものができるので、もっと毛羽立ちを極めたプランターを作っても面白いと感じました。

「①水通しのみ」は、一番シンプルで簡単な方法だと思います。
これだけでも毛羽は軽減するので、まずはこちらを試してみて、気になったら③か④の方法で焼いてみるでも良いのではないかと思います。
その際は、火事には十分にお気をつけください。


夏が近づくと麻紐をまとめ買いしたくなるのですが、残念ながら近所でコクヨの麻紐を購入できるお店をまだ見つけることができていないので、私はいつもネットで購入しています。

毛羽が気になっている方や麻紐で編まれたものが好きな方は、ぜひ試してみてくださいね。