【職務の理解 おまけ②】(外出支援編)支援者は“黒子”

過去の記事で『自立支援の考え方のおまけ』として、「気が利く支援者」について紹介しました。

自身の役割について理解不足の支援者は多く存在しています。

この記事は介護職の役割について、事例を紹介しながら解説します。

介護職の役割とは

しば
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これについては過去記事『職務の理解』で説明していますので、そちらをご覧ください。

この記事の中で、以下のようなポイントを紹介しました。

【 point 】

介護の要・不要と生活の自立は無関係
「自分で動く」「動作ができるようになる」だけが自立ではない

本人の実感が大事
⇒「本人が考える、本人が決める」


③「困る」も機会、「失敗する」も経験

④ 主役は本人、支援者は黒子

今回は④について解説します。

しば
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その他については、別記事で紹介していますのでご覧ください。
『職務の理解』
② と③ ⇒ 『介護過程・職務の理解 おまけ①』

外出支援場面の例

< 問題 >
次の①〜⑤うち、外出同行する支援者が行う事として、「適切なこと」「不適切なこと」をそれぞれ選んでください。

①買い物の荷物を持つ
②買い物を代行する
③店員に商品の質問をする
④交通機関の時刻や乗り換え等を調べる
⑤事前に目的地の場所、営業日時等を調べる

< 解答 >

適切なこと: 該当なし

不適切なこと : ①②③④⑤

しば
しば

※補足

①〜⑤のようなことは禁止されている訳ではありません。

“必要な理由”がある場合には実施します。

※②は認められません。

なぜ全て不適切なのか、次の項目で解説します。

支援者は「居るけど居ない人」

支援者は黒子のようなものであり、①〜⑤のようなことは、主役であるご利用者本人がすべきことです。

荷物持ちは「付き人」、乗り換え案内等は「観光案内人」の仕事です。

代行する場合は、支援が必要な理由を明らかにしましょう。

ご利用者が「自分で出来ること」を依頼されるのはなぜか?

〈考えられる原因〉

● 契約・重要事項説明、計画交付時に説明が不十分。

● 支援者の職務理解の不足、指導不足、などが考えられます。

原因が支援者であることが多いようです。

しば
しば

「困難事例」と言われる、サービス提供が困難なケースがあります。

これも支援者が原因である事が多く、その後の修正は困難になります。

付き人や観光案内のような支援は、ご利用者に誤ったサービス理解を植え付けます。

そのような支援は何の助けにもならず、能力低下の手助けと公費(税金)の無駄遣いをしていると理解すべきでしょう。

「本人ができることは本人がする」

この基本的なことを意識して実践することは、双方にとって利益になります。

  1. こんばんは。
    授業ではお世話になっております。

    ためになる記事をありがとうございます。

    同行援護について細かい質問になります。

    利用者さまが希望されるとおりにしたときに、ご本人はそんなつもりはないけれど、他の人に迷惑をかけてしまいそうなときは、支援者はどうしているのでしょうか?

    例えばスーパーに買い物に行ったときに、ショッピングカートを利用するかどうかは、利用者さまにお聞きすると思うのですが、利用したときに、他のお客さんによくぶつかるなどされる頻度が多いときは、そうなっている事実をお伝えし、カートをどうするか、決めてもらうのでしょうか?
    利用者さまに依頼されて支援者がカートを代わりに押すのは構いませんか?

    また、ご自分ひとりで持てない量の買い物をされようとしているときは、途中で荷物の量をお伝えして、持てる量に調整してもらうのでしょうか?

    対応の仕方や言葉かけは、利用者さまそれぞれ違うと思いますが、今までの経験例などがあれば、教えていただきたいです。

    • コメントありがとうございます。
      ご質問の回答をまとめましたが、ボリュームが多くなりそうです。

      既に講習にてお伝えしてしまったかと存じますが、新たな記事へ回答をまとめるよう準備致します。
      よろしくお願い申し上げます。