「介護サービスは誰のためなのか?」「誰のための支援か?」
支援場面や介護の勉強で迷い悩む方に対し、このような問いが投げかけられる事があります。
この問いの正解は「ご利用者のため」と回答されることが多いです。
私もそう回答することがあります。
しかし、この「ご利用者のため」という正解が、不正解(弊害)を生むことがあります。
正解が不正解を生む…
正解なのに不正解…
なんだかよくわかりませんね。
今回は、こんなことについて書いてみます。
「ご利用者のため」が生む不正解(弊害)①
希望されることを何でも支援することが、ご利用者のためになる訳ではありません。
不要な支援は厳禁です。
また、
「よろこんで欲しい、楽しんで欲しい」「笑顔になって欲しい」「こんな事をしてあげたい」など、自己満足のための支援も控えた方がよいでしょう。
その欲求は、公的介護サービスではない別場面で満たすべきであり、ヘルパー業務の遂行には必要ない考えです。
外出支援などで、”余暇活動のための外出支援”をする場合であっても同様です。
⇒「楽しくなるように盛り上げる」、「友だちのように振舞う」などはヘルパー業務ではありません。
外出支援に関しては ⇒ こちらもご確認下さい。
「ご利用者のため」が生む不正解(弊害)②
回答①に書いたように、不要な支援は厳禁です。
不要な支援をする人は、職務の理解不足です。(これまでの記事にも書いてきました)
理解せずに従事する ⇒ 不要な支援をする
↓
自立の妨げになる
しかし、これだけが問題なのではありません。
理解せずに従事する ⇒ 不要な支援をする
↓
ムダな介護給付費が増える
↓
財政の逼迫(国のお金が足りなくなる)
↓
保険料が増える、税金が増える、サービスが制限される、介護報酬が減る
↓
「みんなの生活が苦しくなる」
まとめ
「ご利用者のための支援」と言うと聞こえは良いです。
なんだかキラキラしている感じです。
しかし、誤った解釈をされることもあるため迂闊には言えません。
「誰のため」⇒ めぐり巡って「自分のため」と捉えた方が理解しやすいのかもしれません。
適切に業務を遂行することが、ご利用者と自分・社会全体の利益につながります。
やはり、職務の理解を深めることが欠かせないようです。
この記事の詳細説明は別記事にありますのでご覧ください。
⇒ 『職務の理解』
⇒ 『介護過程・職務の理解 おまけ①』