近頃は債務整理のCMを見る機会が増えたように思います。
私も、15年ほど前に助けられました。
借金の返済額は、利息の割合がとても大きく、元金が減らず、返済も苦しくなり、その返済のために他社から借り入れ、またさらにその返済のために他社から借り入れ…
と、膨れ上がる方も少なくないと思います。
私が任意整理をすることになった頃は子供が生まれたばかりで、夫からのDV、加えて終わりの見えない借金の返済と、自分が情けなく、まるで地獄に落ちていっているような感覚でした。
ですが、ある事をきっかけに『公益財団法人 日本クレジットカウンセリング協会』にお世話になることになり、無事完済することができました。
2022年現在は、高校生の息子と二人暮らしを満喫しています。
債務整理に興味はあるけど、どうなってしまうんだろう…
と不安に感じる方も少なくないと思います。
私も、不安で仕方なかったです。
当時の私が、どのような流れで債務整理を行ったか、記憶を辿りながら紹介したいと思います。
少しでも、いま苦しんでいる方の何かのヒントになれば幸いです。
息子が2歳の時に離婚。
ひとり親として仕事と子育てを頑張りながら、借金200万円を返済する。
ひとり親家庭を理由に、寂しい思いや悲しい思いは極力させたくないという思いで、成長に合わせ転職を繰り返す。
現在は高校生になった息子と、二人暮らしの生活を楽しんでいます。
借金のきっかけ〜多重債務
初めての借金は、高校・専門学校の時の奨学金です。
無利子のものと低利息のものと2種類ありましたが、問題なく返済できていました。
歯車が狂う借金のきかっけとなったのは、当時の恋人からの依頼です。
「友達の結婚式に行きたいけど、御祝儀が用意できない。自分は事情があって借金できない。必ず返すから借りてほしい」
今考えると、断る1択なのですが、当時20歳になったばかりの私は、大好きで時々怖い彼からのお願いを断ることもできず、言われるがまま、夜中でも空いている消費者金融のATMに連れて行かれ、借金をする方法を伝授され、10万円を借り入れました。
随分簡単に10万円が手に入るんだなと、驚いた覚えがあります。
これが始まりです。
10万円の借金を他人に依頼する人が、10万円を一度に返せるはずもなく、少しずつ利息と元金を返済してもらう日々が始まりました。
次第に、「今月は利息分しか用意できない」、「今月は利息分の半分しか用意できない」、「今月は立て替えておいて、来月2ヶ月分払うから」と、私が返済をするようになっていきました。
奨学金は返済を待ってもらう制度を使い、携帯電話が止まり、電話がつながらない娘に親が心配し始め、借金がバレることを恐れていました。
そうすると、恋人から「他の会社からも借り入れたらいいよ」と他のATMに連れて行かれ、それを繰り返し、3社から借入をするようになりました。
総額が100万円を超えるのに、そう時間はかかりませんでした。
クレジットカウンセリング協会との出会い
借金のきっかけになった恋人とは、そのまま授かり婚をし、24歳の頃、息子が生まれました。
当時住んでいた団地内の公園で、同じ時期に出産をした一人のお母さんに出会い、色々話すようになり、今の自分の状況が通常ではなく、DVを受けている状態である事を知りました。
DVには6つの暴力があります
【身体的暴力】【精神的・心理的暴力】【性的暴力】
【経済的暴力】【社会的暴力】【子どもを使った暴力】
当時の私は、身体的暴力以外を全て受けている状況でした。
後になり、殴られたり蹴られたりという暴力がない場合、気付くことができない方が多いと知りました。
(詳しくはまた別の記事でいつかご紹介したいと思います)
その友人が心配し、すぐに消費生活センターに電話をかけ、わたしに受話器を握らせました。
その時紹介されたのが、「クレジットカウンセリング協会」です。
そのまま、友人はそこにも電話をかけ、またわたしに受話器を握らせました。
まずは詳しい話を聞きましょうと言われたため、カウンセリングの予約をしてみました。
カウンセリングにも、債務整理の手続きにも何にも料金はかからないとのこと。
ここに助けを求めている方はとても多く、当時予約は3ヶ月程待ちでした。
カウンセリングの前日
そんな電話をしたと、当時の夫に話すことなど怖くてできず、あっという間に3ヶ月が過ぎました。
ですが、長時間の外出となると、どこに行くのか報告をしなければならなかったので、報告すると案の定、夫は機嫌を損ね、大きな声をあげました。
もう諦めようと「子供が熱を出したので、カウンセリングはもう結構です」と電話をかけて嘘をつきました。
すると、電話口の方は、何か察したのか「3ヶ月待ったのだから来なさい。子供は熱で死にそうなわけではないでしょう。連れてきていいから、話す間みていてあげるから。」
「とにかく、おいで。」
と言ってくれました。
私は涙が止まらず、怒りで出ていった夫を気にしながらも、首の座らない息子を連れて、カウンセリングを受けることができました。
全国の色々な方の電話を受けてこられたんだと思います。
電話をかけてくれた友人と、協会の担当の方には、本当に、感謝してもしきれません。
カウンセリング
まずは、自分がどのくらい借金があるのか、今の収入と支出はどのくらいかを、紙に書き出して一緒に整理します。
私の場合、消費者金融3社の借金について『任意整理』をすることになりました。
・これまでに払い過ぎた利息分を差し引き、今後は元金のみを返済していく。
・毎月の返済が1度でも、遅れた場合は一括で全額返金をする。
という約束だったと思います。
実際に任意整理をする前に、本当に返済していけるのかを証明する必要があります。
弁護士の方が一旦借金の返済ストップの手続きをされて、毎月の返済予定額を新たな通帳に貯めていくということを半年ほどしました。
無事、返済していくことができると認められ、元金の返済が始まりました。
当時、200万円程あった借金は、整理をしたことによって80万円程になりました。
利息もなく元金だけを払えば終わるのだと、地獄の出口が見えたような気がしました。
その後
その後、夫からは逃げるように離婚をし、一生懸命働き、数年かかりましたが無事完済することができました。
本当に無料なの?という心配もあると思います。
私は、カウンセリングを受けた時から、完済後も、何かを支払ったということはありませんでした。
かかった金額と言えば、相談室に伺う際の交通費くらいです。
デメリットとしては、任意整理をしたことで、信用情報に事故情報として載るため(ブラックリストとよく言われているものです)、完済後はしばらく「ローンが組めない」「クレジットカードが作れない」などの影響があります。
これまでの地獄に比べれば、私にとってはデメリットでもなんでもなく、不都合はありませんでした。
7〜10年程で、その事故情報も消えるそうです。
ただ、7年経った頃に試しに楽天のクレジットカードを作ってみて、無事審査が通った時は、なんだか普通の人になれた気がして、とても嬉しかった記憶があります。
まとめ
借金の返済で苦しんでいる方。
いま地獄にいるように感じている方。
すごく苦しいと思います。
私も「居なくなりたい」と思う日が少なくありませんでした。
もしかしたら、1本の電話で救われるかもしれません。
でも電話での相談はハードルが高いかもしれません。私も友人がかけてくれなかったら、できていなかったと思います。
近くにクレジットカウンセリング協会の相談所がないかもしれません。
そんな方は、メールやチャット機能での相談を受けてくれているところもあります。手続き自体は無料ではないかもしれませんが、相談は無料でできるところが多くあります。
まずはそこで、今の状況を伝えてみるだけでもいいと思います。
ぜひ、一人で悩まず、誰かに話してみてください。
なにかが動くきっかけになるかもしれません。