今回は、「介護サービスに対するご利用者の不満とその原因」・「受け止め方」について書いてみます。
「何故できないんだ!」への回答
こんな言い方をするとお相手の怒りが増します。
コミュニケーション技術を用いて、上手に応答しましょう。
コミュニケーション技術について気になる方は ⇒ こちら
介護サービスには”認められない支援”や”サービス支給量の限度”など、制限が多くあります。
(介護保険サービス、総合支援法に基づくサービスどちらにも制限はあります。)
なぜ制限があるのか?
公的介護サービスの介護費用総額には「自己負担」のほか、「保険料」や「公費(税金)」が多く含まれます。制限せず何でも認めてしまうと、破綻してしまいます。
公的介護サービスの財源については別記事に記載しています。気になる方は⇒ こちら
介護保険(訪問介護)は原則、”日常生活に必要な内容”が支援の対象となります。
例えば、外出の支援は認められていますが、その内容は極めて限定的であり、以下のような目的の外出支援は認められません。
⇒ 理美容、お墓参り、冠婚葬祭、地域の催しや学校行事など
ちなみに、上記は総合支援法に基づく外出支援サービスでは認められます。
別記事に記載している財源の比較を見るとわかりますが、介護保険の方がご利用者の費用負担は多いが、認められる内容の範囲が狭く、制限が多いです。
また、認められる範囲内の支援であっても急な依頼には原則対応不可です。
緊急を要す場合などやむを得ない場合を除き、計画にない支援は認められません。
(これは障害福祉サービス等も同様です)
つまり、介護サービスは「①認められた範囲内で必要な支援を受ける②”不便で行き届かない”サービス」です。
ご利用者からの不満が多い介護保険をつくったのは誰か?
介護保険法をつくったのは政治家ですが、政治家を選ぶのは国民です。
いま高齢者と言われる世代の方々が、現役世代であった頃に選んだ政治家がつくった法律です。
介護保険は1996年(平成8年)に国会へ提出され、1997年(平成9年)に法案成立。
25年ほど前のことで、いま80歳の人が55歳の頃につくられました。(2022年時点)
介護保険サービスのご利用者の多くが高齢者です。
介護保険はその方々がつくってきた社会の結果のひとつです。
まとめ
若い頃に建てた家が、老後住みにくくなるという話をよく聞きます。
建てたのはハウスメーカーや工務店ですが、それを選び注文したのは自分自身です。
わが子や孫に文句を言う人はあまりいません。
「何故できないんだ!」というような場面に遭遇した際は、その気持ちを受け止めましょう。
間違っても「ご自分がつくった社会の結果ですよ」とは言ってはいけません。
「社会をつくるのは自分自身なんだ!」
「きちんと情報収集して投票へ行こう!」
そう意識する機会を頂戴したと思い、感謝するようにしましょう。
感謝の気持ちは大切ですね。