<質問の技法>アセスメント・コミュニケーション【補足分】③

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介護職に従事しながら、福祉人材養成校の講師をしています。
仕事のなかでよくお受けする質問や相談、悩みごとなどの回答を記事にしています。

過去記事『アセスメント』や『コミュニケーション技術』『補足分①』『補足分②』の補足記事です。

「反応についての技法」

相槌やオウム返し、ミラーリングなどです。ここでは省略しますが、上手に活用することで円滑にコミュニケーションが図れ、関係構築に役立ちます。

「質問の技法」

アセスメント場面では、「質問の技法」を用いることが重要です。
質問の技法には「オープンクエスチョン」・「クローズドクエスチョン」があります。「質問責め/矢継ぎ早の質問」をしてしまう方は、この技法を意識することから始めてみましょう。

ただし、この技法にはメリット・デメリットがあり、適切な使い分けが必要です。それぞれのメリット・デメリットを以下にまとめます。

「オープンクエスチョン」

「感情などを含め、自由に話せる」
「想定以上の情報を得られる」
「関係構築」

「本題から脱線しやすい」
時間を要す」
「質問が広すぎると回答に悩む」

オープンクエスチョンは話が逸れやすく、時間を要す事が多い点がデメリットです。一方で「失礼かな?」「不快かな?」と、お尋ねする事を躊躇するような内容(排泄関連、家族状況、経済状況など)を、お相手が自ら開示される可能性もあります。
その発言を受けたタイミングで、更に踏み込んで質問するとスムーズに回答を得られやすい事もあります。お尋ねするタイミングは重要ですね。

「クローズドクエスチョン」

「欲しい情報がピンポイントで得られる」
「時間効率がよい」
「容易に回答できる」

「支援者ペースとなる」
「ご利用者が自由に話せない」
➡事情聴取のような印象を与える
心理的な圧迫感
関係構築には繋がり辛い

クローズドクエスチョンについても、「はい」「いいえ」程度で回答できるものの、内容次第では心理的に答え辛いと感じることもあります。

まとめ

繰り返しになりますが、アセスメントの実践には様々な技法を用いることが重要です。それにより、効率的に情報収集を行うことができ、関係構築を図ることもできます。

ただし、「何のためにアセスメントをするのか」「自身の役割は何か」について理解しておくことは欠かせません。「むずかしい・・・」と思う方は、『アセスメント』について改めて確認されることをおすすめします。