アセスメント・コミュニケーション 【補足分】

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介護職に従事しながら、福祉人材養成校の講師をしています。

仕事のなかでよくお受けする質問や相談、悩みごとなどの回答を記事にしています。

以前『アセスメント』や『コミュニケーション技術』をテーマについて記事を書きました。

業務でのアセスメント場面や介護過程の講義場面で悩まれる方が多く、お受けしたご質問と回答も含め補足記事を追加することにしました。

Q&A

Q1)「最初は何の話をすれば良いですか?」

回答

「わかりません」

しば
しば

何のために話をするのですか?

「何を話すべきなのか?」は、コミュニケーションを図る目的次第で変化します。

例)「知りたいことがある」「関係構築のため」など

アセスメントを実施するのであれば、「何を知りたいのか」について明確にしておくべきでしょう。

Q2-1)「どこまで踏み込んで良いのでしょうか?」

回答

「わかりません」

しば
しば

踏み込めばわかるのではないでしょうか。

「踏み込まれたくない部分」「尋ねられても答えたくない事」というのは、どんな方にもあるのではないでしょうか? 「ジョハリの窓」の”秘密の窓”の領域に含まれる部分でしょう。

しば
しば

「ジョハリの窓」ってなんだろう?という方は調べて見て下さい。
自己覚知、自己分析ツールとして紹介されています。
理解できると、コミュニケーションが円滑にできるヒントを得られるかもしれません。

「どこまで踏み込んで良いのか?」については、パッと見た目でわかるものではありません。
コミュニケーションを図ることによって、踏み込んで良い領域が少しづつ見えてくるのではないでしょうか。
少なくとも、「どこまで踏み込んで良いのか?」は自ら理解するしかなく、他者に尋ねる事ではありません。その理由は後半に例を用いて解説します。

Q2-2)「不快な思いをされるのでは?」

回答

「されるかもしれません」

しば
しば

不快感を与えたのであれば、お詫び申し上げるしかないのではないでしょうか。

※なぜその発言・お尋ねをしたのか、専門家としての理由を説明できるようにはしておきましょう。理由が分かれば、ご納得下さるかもしれません。

職務を遂行するためには、「他者には言いたくないような事柄」をお尋ねしなければならない場面が多々あります。
不快な思いをされるかもしれないという点に留意し、配慮ある聴き取り方が求められます。

Q3)「11:00におはようございますは変ですか?」

回答

わかりません

しば
しば

職種によっては規定を設けている場合もあるようですが、どうしても気になられるならお相手にお尋ねください。

「さぁ・・・」

「どちらでもいいです」

「こんにちはに決まってるでしょ!」などのご返答を得るのかなぁと思います。

あまり考えすぎると抜け出せなくなりますのでご注意ください。

Q2の補足・解説

コミュニケーションの例①

ててからA
ててからA

お、

髪型変えたの?

ててからB
ててからB

はい、

そうなんです!!

ててからA
ててからA

素敵だね!

ててからB
ててからB

そうですか!?

ありがとうございます!!

ててからB
ててからB

(心の声)

気付いてもらえた!

うれしー

コミュニケーションの例②

ててからC
ててからC

お、

髪型変えたの?

ててからB
ててからB

え?
あ、はい・・・

ててからC
ててからC

素敵だね!

ててからB
ててからB

あぁ、どうも・・・

ててからB
ててからB

(心の声)

ジロジロ見ないでよ、気持ち悪い。

人の容姿を評価するなんて信じられない!

①と②は何が違う?

「ててからA」と「ててからC」
同じ言葉を掛けたのに、なぜ「ててからB」の反応が大きく異なるののでしょうか?
考えられる要因を以下にまとめます。

【考えられる要因】
・関係性の違い
・言い方

・タイミング
・受け手の気分 など

「ててからC」が別の人に同じことを言ったとしたら、喜ばれることもあるかもしれません。
逆に「ててからA」が、別の人を不快にさせてしまうこともあるでしょう。
受け手の性格・考え方などによっても反応が変化するようです。

まとめ

・コミュニケーションは相手との関係性などによって変化する
・対人援助には、関係構築が欠かせない

・誰も不快にしない、万能な表現などは無い

「この振る舞いは不快にさせない」「この言葉は大丈夫」というような、万能なものはありません。

対人援助には、相手に合わせコミュニケーション方法を変化させられる、技術の幅が必要ですね。

コミュニケーションやアセスメントの技術は、「失敗しながら理解し獲得していく」そんなふうに捉えておく方が、楽な気持ちでに実践できるのではないでしょうか。

しば
しば

私は、失敗して恥をかいてお叱りを受ける経験をたくさんしたことだけは自負しています。

お陰で、「謝るのが上手」と褒められます。